TO、CC、BCCを解説｜違いをわかりやすく。マナーや送り方、返信は？

このページではメールを送る際の宛先設定の「TO」「CC」「BCC」の違いをわかりやすく説明します。相手にどう見えるのか、メーラーごとの送り方など、知っておきたいポイントを解説。このページを読めば迷うことなく使い分けることが出来ます

CCとBCCのまとめ

まずはじめに、CCとBCCの特徴をまとめた表を用意しました。詳しい解説は次項から始めます。

	CC	BCC
返信の必要	基本不要	基本不要
用途	公に共有	内密に共有
アドレス	受信者全員が見れる	受信者自身のみに表示
一斉送信の有無	受信者・送信者が把握	送信者のみ把握
送信先	互いに面識がある	互いに面識がない

BCCとはなにか

BCCとは、メールを複数人に送信する際に行う送信先アドレスの設定方法の1つです。BCCに設定したアドレスは、メールの送信相手に表示されません。

メールの受信者は、BCCに設定された他の受信者のアドレスは見れない
メールの送信者は、BCCに設定したアドレスを見ることが出来る

BCCの最大の特徴は送信相手には見えないことです。この特徴を生かして、BCCはメールのコピーを特定の人に送信したことをセキュリティやプライバシーなどの理由で秘匿したい時に有効な送信方法になります。

またBCCでは、受信者以外の他の人にも一斉送信をした事実が伝わりません。

BCCを分かりやすく説明すると

BCCに、Aさん、Bさんの2つのメールアドレスを設定してメールを送信します。送信主、Aさん、Bさん、それぞれのメール表示は次のようになります。

送信主：AさんおよびBさんのアドレスが表示
Aさん：自身のアドレスだけ表示。Bさんのアドレスは非表示
Bさん：自身のアドレスだけ表示。Aさんのアドレスは非表示

受信する側は自分以外にBCC送信されているかどうかは把握できません。

BCCの由来

BCCは「Blind carbon copy(ブラインドカーボンコピー)」の略です。カーボンコピーとは、現在ではあまり見なくなったカーボン紙による複写式の書類の事です。1枚目に書くと自動で下の紙(副本)に複写されます。

CCとはなにか

CCもBCCと同じくメールを複数人に送信する際のアドレス設定の方法です。CCに設定した全てのアドレスは、メールの受信者全員に表示されます。

・メールの送信者と受信者どちらもCCに設定された全ての送信先を見ることが出来ます

ちなみにCCは「Carbon copy(カーボンコピー)」の略になります。

TOとはなにか

TOは、メールのメインとなる送信先です。最も一般的な送信先アドレスといえます。

送信するメールを、特に第三者と共有する必要がない場合はTOのみで送信します。TOにもメールアドレスを複数設定することは可能です。

BCCとCCの違い

CCとBCCの違いを分かりやすく表現すると、CCは「アドレスが公開」で、BCCは「アドレスが非公開」ということになります。

より正確に違いを見ていきましょう。

・CCは全てのアドレスを見れる
・BCCは自分のアドレス以外見れない
・CCは公に共有するときに使用
・BCCは内密に共有するときに使用

「CC」はメールを受信した人全員のアドレスが公開表示されますが、「BCC」ではメールを受信した本人のアドレスのみ表示されます。

CCとBCCは公開・非公開という意味では正反対の機能になるので、使い間違わないように違いをしっかりと把握しましょう。

BCCとCCの共通点は？

CCとBCCは共通点もあります。

・複数人に送信する際に使う
・主たる宛先ではない
・基本返信は不要

どちらも単独で送信する際には基本的には使いません。単独の場合はもちろんTOを使って送信します。CCやBCCはあくまでTOの副次的な宛先設定です。返信は主な宛先であるTOに設定された相手が行います。

CC、BCCで受信した側はどう見える

CCやBCCでメールを受信した側の視点にたってみると、次の様にアドレスが表示されます。

・TO：設定されたアドレス全て
・CC：設定されたアドレス全て
・BCC：自分のアドレスのみ

メールの受信者はTOに設定されたアドレスと自分のアドレスのみを把握します。もちろんBCCの設定で送信された場合の話です。

どれを使うか迷う場合には、受信する相手の目線に立って送信方法を選択しましょう。

CC、BCCの送り方

基本的にTOでメインの宛先を設定し、共有したい宛先をCCかBCCで設定して送ります。どちらも複数のアドレスを設定して送ることが出来ます。

ただし送り方の詳細は、各メールサービスによって違います。

Gmail
Outlook
Yahooメール
Appleメール

上記の比較的利用者の多いメーラーごとの送り方について解説していきます。

Gmail

まずはGmailでBCC、CCを設定する際の手順を見ていきましょう。

・新規メッセージ画面をひらく
・TOの項目の右端の「CC」「BCC」を選択
・「CC」や「BCC」にメールアドレスを入力

Outlook

OutlookでBCC、CCを設定する際の手順を見ていきましょう。

・新しくメールを作成する
・メニューの「オプション」を選択
・サブメニューの表示フィールドの選択※で「BCC」を選択

※MacのOutlookでは表示フィールドの選択という表示はありません。

Yahooメール

YahooメールでBCC、CCを設定する際の手順を見ていきましょう。

・メール作成画面をひらく
・TOの項目の右端の「CC」「BCC」を選択
・「CC」や「BCC」にメールアドレスを入力

Appleメール

Appleメール(Macのメール)でBCC、CCを設定する際の手順を見ていきましょう。

・新規メッセージをひらく
・「CC、BCC」表示がない場合、ヘッダのプルダウンメニューを選択
・「CCアドレス欄」「BCCアドレス欄」を選択
・「CC」や「BCC」にメールアドレスを入力

BCCのマナー

BCCでメールを送るときのマナーは次の通りです。

・面識のない人同士はBCCに
・BCCやCCを多用しない
・CCとBCCを用途に合わせて使い分ける

面識のない人同士はBCCに

最も気を付けるべきマナーは、互いに面識のない人同士はCCではなく、BCCに設定することです。

CCで送信するとアドレスは公開されてしまうため、個人情報を許可なく一方的に漏洩することになります。

自分のアドレスを、許可なく第三者に教えられたら、嫌ですよね。共有は必要なメールにとどめるように気を付けるのも必要なマナーです。

多用しない

メールの主な送信先はTOで設定した相手です。CCやBCCはあくまで参考、共有の為に送信するものです。

いちいち関連性の薄いメールまでCCやBCCで共有すると、相手に迷惑になったり紛らわしいので避けましょう。

BCCで返信するとき

基本的には返信不要のメールですが、返信するケースも考えられます。BCCで受信したメールに返信するときの注意点は次の通りです。

・返信は「送信元」に
・「全員に返信」しない

「全員に返信」しない

BCCで受信したメールで「全員に返信」を選択してしまうと、TOに設定した相手にもメールが送信されます。

BCCは本当に相手に見えない?

結論から言うと、メールの送信相手(受信者)がBCCに設定された他のアドレスを見る方法はありません。メールの詳細情報をチェックしても、当然BCCに設定された他のアドレスは載っていません。

ただしBCCは次のような場合に露見する恐れがあります。

・CCとBCCの人為的な設定ミス
・マルウェアなどウイルスに感染
・ハッキング

サイバーセキュリティー企業プローフポイントのシェロッド・デグリッポ氏によると、最も一般的なのは人為的なCCとBCCの設定ミスです。同氏によると、ハッキングやウイルスの感染によりBCCが漏洩する可能性もあるようです。

もし万が一、BCCに設定したメールアドレスが誤って相手に公開されてしまうと、プライバシーの侵害につながりかねません。BCCの設定やメールの管理は慎重に行う必要があります。

その他の知識

CCとBCCに関する注意点、よくある疑問や知識を解説します。

BCCだけでメールを送信できるか

答え：TOやCCを空欄にして、BCCのみでメールを送信することも可能です。

BCCでメールを一斉送信できるか

答え：出来るが、メーラーごとに制限がある。

送信すること自体は出来ますが、各メーラーごとに一定の上限を設けているため、送信先が多くなる場合は一斉には処理できない事があります。例えばoutlookでは、1通に設定できる最大の宛先数は500になっています。