書き方の解説とテンプレート

ロゴマーク

顛末書|書き方解説と文例、テンプレートで作成。社内・社外用を紹介。

顛末書

このページでは、顛末書の書き方の解説やテンプレートツールを用意しました。このページを読めば社内用も社外用も、PC・スマホ・手書きでも、方法や用途を問わず顛末書について知ることが出来ます。

まず顛末書の文面を自動で作成してみましょう。必要な項目を入力するだけで作成できるテンプレートツールです

顛末書のテンプレートツール

顛末の概要
顛末の詳細
発生の経緯や状況
原因

被害や損害の状況
今後の対策

…いたします。

所感
用途を選択
報告する者 会員登録すると本項目の入力を省けます
報告を受ける者

上のテンプレートツールに必要な項目を入力するだけで顛末書を自動で作成し、印刷、コピー、PDFで保存が出来ます。

作成した顛末書

社名

部署 名前

顛末書

この度、の件に関しまして、経緯、原因の究明と今後の再発防止の対策を講じました。つきましては下記の通りご報告申し上げます。

・日時

・場所

・当事者

・発生の経緯や状況

・原因

・被害・損害の状況

・今後の対策

・所感

社名

部署 名前

文章の内容は、再入力して訂正できます。

顛末書とは

顛末書は、業務上のトラブルやミス、違反行為、事故などの重大な事態が起きた際に、一連の経緯や背景、対応策を説明する目的で書く文書です。

顛末書のポイント
  • 読み方:てんまつしょ
  • 顛末の意味:出来事の最初から最後まで一部始終
  • 顛末書の役割:出来事の経緯、背景、原因など全てを記す
  • 書く人:トラブル当事者の上司、本人

顛末書は文字通り、トラブルなど起きた出来事の全てを書きます。ただし直接関係のない不要な情報は省き、要点をまとめ簡潔に書くことが求められます。

性質上、トラブルを起こした本人が書くのではなく、客観的な立場にある第三者が観察、調査して書くことが望ましい文書です。ただし組織によっては、本人が顛末書を書くように求められる事もあります。

用途としては基本的に社内文書であり、企業内で情報を共有するために用いられます。

顛末書の詳しい説明

詳しい説明が複数になる時、項目ごとにタイトル(見出し)を付けて入れ子の構成で書きます。例文は後述します。

説明の文章構成も、全体の構成と同じく結論→詳細に進む流れを踏まえて書きましょう。

ただし顛末書の詳しい説明は、あくまで補足のような位置づけになります。詳しい説明を読まなくても、文意が成立する形になっている必要があります。

顛末書の書き方

具体的に顛末書の書き方を見ていきましょう。次のような項目に沿って書き進めていきます。

  • 宛名
  • タイトル(標題)
  • 導入文
  • 日時・場所
  • 当事者名
  • 発生の経緯や状況
  • 原因・背景
  • 今後の対策
  • 所感

導入文以降以下は記書きで書いていきます。それぞれの項目の具体的な書き方を、以下に解説していきます。

宛名

宛名は一般的に企業の代表者、取締役、社長になります。ただし特定の指示がある場合は、臨機応変に宛名を変更しましょう。

役職と名前、敬称の書き方はこちらで解説(別ページには移動しません)しています。

タイトル(標題)

タイトルは「顛末書」になります。

報告する出来事の具体的な内容をふくめて「大量発注ミスの顛末書」というような形では書きません。シンプルに「顛末書」とだけしましょう。

導入文

  • 発生した出来事の概要を書く
  • 「下記の通りご報告申し上げます」と書く

何の件に関する顛末書なのか分かるように、冒頭から発生した出来事を端的に書きます。もし当事者本人が書く場合は、合わせて謝罪の言葉も忘れずに付け加えます。

「下記の~」という表現は決まり文句なので活用しましょう。

導入文の例
  • 本人以外が書く場合

    20××年×月×日、取引先A社との契約において不手際があった件につきまして、下記の通りご報告申し上げます。

  • 本人が書く場合

    20××年×月×日、取引先A社との契約において不手際を起こしたことにつきまして、深くお詫び申し上げますとともに、本件につきまして、下記の~。

日時・場所

日時や場所は、起きた出来事を把握する上でも非常に重要な項目です。特に顛末書は6W2Hを正確に書き残すことが重要です。

時間を書くことは、どのような経緯で事件が起きたのかを知る情報であり、場所はどのような背景があったのかを知るのに役立つ情報です。出来る限り正確な日時と場所を書くように心がけます。

顛末書|当事者名の書き方

発生したトラブルの当事者である人物の名前を書きます。ただし当事者本人が書く場合は不要です。

顛末書を書いているのが当事者本人ではない場合は、責任の所在や問題を起こした本人を明確にするために当事者名を書くことがあります。

発生の経緯・状況

  • トラブルの当事者、関係者にヒアリングを行う:客観的な事実を調べる為
  • 時系列で書く:因果関係をはっきりさせる為
  • 思い込みではなく事実を書く:事実と意見が混同しないようにする為

まず関係者らに聞き取り調査をして、詳しい経緯や状況を調べます。

次に聞き取った情報を整理したうえで、経緯・状況を簡潔に書きます。特に経緯は時系列で書くことを心がけましょう。時制が行き来すると、非常に読みづらくなります。

私情をはさまずに客観的に、事実のみを端的にまとめるように心がけましょう。もし個人的な意見は最後の所感で述べます。

なお、経緯・状況を分けて書く場合はそれぞれに見出しを付けて区別しましょう。

例文

発生の原因

顛末書の原因は誰が書くかによって、目をつける点が変わります。ポイントは次の通りです。

  • 当事者が書く場合:自らの原因を探る
  • 責任者が書く場合:当事者個人の原因ではなく、自身の管理責任の不備や組織としての原因を探る

当事者本人が書く場合は、素直に自分自身が問題の原因を作ってしまったことを認めて、自分自身に向き合って書きます。

しかし当事者ではなく責任者が顛末書を書く場合は、当事者本人に原因を押し付けるのでは なく自分自身の監督不行き届きを認めたり、組織や部署の次元での原因を探る必要があります。

金銭的損害、被害状況

  • 人的な被害:心身のケガなど
  • 金銭的な被害:株価の下落など
  • 物質的な被害:設備の破損など
  • ソフト面の被害:企業イメージの低下、信頼の失墜など

顛末書を書く時点でわかっている範囲の被害状況を書きます。

計算が可能な被害に関しては、被害額の見積りを調査した上で、具体的な損害額などを書きます。

一方で、人的な被害やソフト面の被害など短期的な見積もりが難しいものついては、定性的に状況を書きます。

今後の対応

今後の対応策についても、書く人の立場によって、書くべきことが違います。それぞれのポイントは次の通りです。

  • 当事者が書く場合:自分自身の再発防止策
  • 責任者が書く場合:組織や部署としての対策

本人が書く場合は、自分が今後実施する対策だけを書くことになります。機械的に書くのではなく、「二度と同じようなことを起こさない様に、真摯に○○に取り組みます。」という自分の思いも書きましょう。

一方で、責任者が書く場合は、今後の管理方法の対策や部署としての対策、再発防止策を検討して書かなくてはいけません。

部下が今後は気を付けます、だけでは済まされません。

ポイント

対策は簡潔に書きましょう。複数になったり、箇条書きにして書くことも可能です。

適切な解決策を実施することが、同様のトラブルの防止への信頼感を高めます。しっかりと対応を練りあげて書きましょう。

顛末書は手書きする?

顛末書を手書きすべきか、印刷にすべきかは決定的な決まりはありません。内規や指示に従うようにしましょう。

謝罪文であれば、反省の意思を強く示すためにも手書きの方が好まれる傾向があります。しかし顛末書は基本的には経緯を伝える方に重点が置かれる文書なので、手書きでないといけないという決まりはありません。

顛末書を書く時のポイント

  • 要約を読めば理解できるように書く
  • 箇条書きで情報を整理して書く
  • SDS法(要点→詳細)を意識した構成

要約を読めば理解できるように書く

顛末書を書く時は、タイトル、顛末の要約、顛末の詳しい説明という構成にします。

しかし、理想的な顛末書はじっくりと一字一句目を通す時間のない上司でも、冒頭から要約までよめばトラブルの内容が理解できるようにすることです。

箇条書きで情報を整理して書く

箇条書き(記書き)で、6W2Hを意識して必要な情報を書き出していきます。

顛末書の主な目的は謝罪ではないので、単純に情報の羅列である箇条書きを使いやすくなります。ちなみに反省の思いを伝えるのが目的の文書(謝罪文など)ではあまり箇条書きは向いていません。

SDS法(要点→詳細)を意識した構成

分かりやすく簡潔に文章を書くためにSDS法を意識して書きましょう。SDS法は

  1. まず要点(Summary)を書く
  2. 後から詳細(Detail)を書く
  3. 最後に再度、要点(Summary)まとめ

以上の順序で文章を書き進める事です。

ポイントは重要な要点(結論)を先に書き、その後で詳細を書いていくという流れです。どの項目を書く時も同じ要領で、まず要点を先に書いてから詳細を書く文章の流れを意識しましょう。

顛末書も多くのビジネス文書と同じく、論理的かつ簡潔な構成で書く必要があります。

顛末書の例文

以下に顛末書の文例(例文)を挙げます。

顛末書の例文

20××年○月×日

代表取締役 ○○××様(提出相手)

顛末書

この度は、20○○年○月×日に発生した社内資料の紛失に関して、関係者への聞き取り調査と今後の対策を行いました。つきましては下記の通りご報告申し上げます

場所

JR○○線△△駅

当事者名

営業部 鈴木某

発生状況

○月×日の20時ごろ、業務を終えた鈴木某は帰宅途中にJR△△駅構内施設の居酒屋にて友人らと食事をした。途中お手洗いに立つ。21時ごろ食事をおえた鈴木某は、そのまま電車に乗車。21時15分ごろ、書類の入ったケースを紛失していることに気づき、直ちに飲食店および△△駅に連絡。本人も引き返し、店内、構内と探したが書類は出てこなかった。以後、2週間経過した現在もなお書類は紛失したままである。

原因

・書類管理を徹底する意識の教育不足

・紛失を防ぐ具体的なシステムがない

今後の対策

・重要資料等に関して、忘れ物防止タグを導入して物理的に紛失を防ぐ

・社内情報を記録した書類、メモリ等の重要度を再度理解する教育を行う

○○部 △△○○(作成者)

顛末書と始末書

顛末書は経緯の報告・記録・共有の為の文書ですが、始末書は謝罪の意味も持つ文書です。従って始末書は不始末を起こした当事者本人が書きます。

詳しくは始末書のページをご覧ください。

顛末書と始末書はどちらが重い

顛末書の方が重い意味を持つ文書です。

理由として、始末書はミスの「当事者」が書きますが、顛末書を書くのは「当事者の上司」です。本人より地位の高い人間が書くという事が、より高いレベルで責任を問われている事を表しています。また多くの場合、顛末書は始末書より多くの人間が共有することになる文書です。

-