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お礼状の書き方は?例文とともに解説。封筒・ハガキの選び方も分かります

お礼状

このページをみれば、お礼状の基本的な書き方や例文、封筒やハガキの選び方、香典返しやお歳暮のお礼状などが分かります。

お礼状とは

お礼状は、お歳暮やお中元などの贈り物を頂いたとき、香典返し、お世話になった時などにお礼の気持ちを伝えるために書く文書です。

書き方として次のような選択肢があります。

  • 封書(封筒と便箋)で書く
  • ハガキで書く

よりフォーマルなのは封書・手紙で書くお礼状ですが、ハガキも失礼のない正式な送り方になります。どちらも基本的な文面の書き方は同じですが、細部では書き方が異なる部分もあります(後述します)。

お礼状の書き方

お礼状は次のような項目に沿って書いていきましょう。

  1. タイトル
  2. 頭語
  3. 挨拶
  4. 本文
  5. 締め
  6. 結語

頭語と結語の使い方など注意すべき点が多くなります。それぞれの書き方を解説していきます。

タイトルの書き方

お礼状は通常、タイトルは書きません。

どうしてもタイトルを書く場合には「御礼」とだけしたり、「○○○ありがとうございました」という形で始めることもあります。

ただし特に理由がなければ基本的にタイトルをつけずに、頭語から書きはじめましょう。

頭後と結語

お礼状は頭語で始めて、結語で結びます。

  • 頭語:拝啓、謹啓など
  • 結語:敬具、謹白など

頭語というのはお礼状の書き出しに用いる拝啓、謹啓などの言葉で、どちらも相手への敬意を示す言葉です。一方で結語は文面の最後を締める敬具、謹白などの言葉です。

頭語と結語は自由に組み合わせて使ってよいわけではなく、決められたセットで用いなくてはいけません。非常に重要なポイントです。

組み合わせ

「拝啓と敬具」、「謹啓と謹白」の組み合わせでしか使う事はできません。例えば「拝啓」で初めて「謹白」で結ぶと非常識だと思われてしまいます。気を付けましょう。

「拝啓と敬具」より「謹啓と謹白」の方がよりつよい敬意を表します。知人に対しては前者、取引先、お客様などに対しては後者と使い分けをしましょう。

この他にも「拝呈、敬白」や「謹呈、謹白」という表現があります。詳しくはこちらのページで解説しています。

挨拶

文章の導入には挨拶を書きましょう。挨拶にはいくつかの定型文があります。

対企業の例文

貴社におかれましては、益々ご清栄のこととお慶び申し上げます

季節を問わず使える例文

時下、皆様益々ご健勝のこととお喜び申し上げます

特定の季節に使える例文

○○の候、益々ご清祥のことと存じます

○○の候は季節に応じて次のような言葉が入ります。
  • 春(3~5月)
    • 3月:早春の候
    • 4月:晩春の候
    • 5月:立夏の候
  • 夏(6~8月)
    • 6月:初夏の候
    • 7月:盛夏の候
    • 8月:晩夏の候
  • 秋(9~11月)
    • 9月:初秋の候
    • 10月:秋晴の候
    • 11月:晩秋の候
  • 冬(12~2月)
    • 12月:師走の候
    • 1月:新春の候
    • 2月:立春の候

本文

何にお礼をしたいのか可能な限り具体的に触れながら、お礼の気持ちを書きます。

頂き物へのお礼の例文

このたびは結構なお品を頂きまして、誠にありがとうございました

香典返し本文の例文

過日はお心のこもったお悔やみの言葉や、過分なお心配りを頂き、厚くお礼申し上げます

基本的にお礼状の始まり方と終わり方は、定型文ともいえるお馴染みの表現で構成されています。更に本文までも完全な定型文で済ませると、全てがコピー&ペーストの文面になってしまいます。受け取る人によっては、手抜きに取られかねません。だから本文では出来るだけ具体的にお礼の内容を書きましょう。

締め

お礼状の締めの文章にはいくつか決まった表現があります。TPOに応じて使い分けましょう。

  • 対企業の例文

    貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます

  • 追って対面でお礼をする場合の例

    略儀ながら、まずは書中をもちましてお礼申し上げます

  • 汎用性の高い例文

    失礼ながら、書面にてお礼申し上げます

  • 対個人の例文
    • ご多幸とご健勝をお祈りいたしております
    • ご自愛専一の程、お祈り申し上げます

お礼状の封筒

お礼状を入れる封筒の選び方や宛名書きにはポイントがあります。

  • 色:封筒は白色
  • サイズ:封筒のサイズは長形4号(定型)
  • 書き方:封筒、便箋は縦書きの方がフォーマル
  • 便箋のサイズ:中に入れる便箋のサイズはB5(基本)

封筒は、白色の封筒を選びます。茶封筒はNGです。茶封筒は請求書を送ったり、簡易に書類を送る際に使う封筒になります。お礼状にはそぐわないので避けましょう。

封筒の大きさは長形4号(定形)用のものを選びます。便箋の大きさはB5サイズです。長形4号(定型)の封筒は、ちょうど3つ折りにしたB5サイズの便箋が入る大きさです。

封筒の宛名書きは縦書きの方がフォーマルです。正式なお礼は縦書きで書きましょう。カジュアルなお礼の場合には横書きでも構いません。

本来正式にはお礼状の便箋にはB5サイズを選びます。ただし既にビジネス上や日常生活でA4紙を使う事が慣例化しており、お礼状も例外ではありません。

A4の便箋を選んだ場合は、封筒サイズは長形3号に変わります。長形3号はA4用紙を三つ折りにしてちょうど入る大きさになります。

お礼状の例文

お礼状の例文をいくつかのパターンに分けて紹介していきます。

頂き物へのお礼の例文

例文

拝啓 師走の候、山本様におかれましては益々ご清祥のこととお喜び申し上げます。

さてこの度はお心のこもったお品を頂戴しまして、誠に有難うございます。

早速、社員一同で頂き、美味しさに感激しておりました。いつもお心遣いを頂きまして、心よりお礼申し上げます。

時節柄、ご自愛のほどお祈り申し上げます。

まずは略儀ながら書中にてお礼申し上げます。

敬具

カジュアルな例文

カジュアルにお礼状を書く場合、拝啓や時候の挨拶、最上級の敬語を省いたりします。

例文

暑さも本格的になってきましたが、いかがお過ごしですか。

さてこの度は大変結構な品を頂きまして、ありがとうございました。

暑さも厳しい折、風邪などひかない様にお体を大切にしてください。またお食事でもご一緒したく思っております。

まずは書面にてお礼まで。

カジュアルな手紙の書き出しの言葉(頭語)に「前略」がありますが、お礼状には適切ではありません。

ハガキのお礼状

お礼は封書ではなくハガキで書く場合もあります。ハガキの書き方で知っておきたいポイントは次の通りです。

  • 書き方は縦書きにする
  • 封書よりカジュアルな手段
  • 個人情報を書きすぎないように注意

お礼状をハガキで書く場合は、縦書きにするのが一般的です。基本的な文面に関しては封書で出す場合と変わりません。しかし個人情報に関するような記述は避けましょう。

ハガキで送るのは、封書で送るのに比べると手軽な方法になります。取引先や地位の高い人など重要な相手への正式なお礼状では、ハガキを避け封書を使いましょう。

例えば子供の通う塾の名前、利用する金融機関名、携帯電話番号など、今日的なプライバシー感覚に反する踏み込んだプライバシー情報を書きこまないようにしましょう。

ハガキの選び方

お礼状のハガキを選ぶときは次のようなポイントに気を付けましょう。

  • 白色か淡色
  • 罫線なしか縦罫
  • 装飾の少ないデザイン

ハガキは極力フォーマルなものを選ぶ必要があります。色は白色か淡色を選び濃い色を避けましょう。更に罫線なしか縦罫のものを選びます。あまり装飾が多いハガキはお礼状には不向きです。

基本的にハガキでは絵や柄や線などの装飾が、増えれば増えるほどカジュアルなハガキになってきます。文章を書く前にまず、お礼状に合ったハガキを用意することから始めましょう。

お歳暮のお礼状の書き方

お歳暮のお礼状のポイントは次の通りです。

  • 出来る限り12月に送る
  • 冬の季節柄に合ったあいさつ文を織り込む
  • お心遣いのお品等の決まった表現を活用

お歳暮のお礼状は12月中に返したいものです。なぜなら1月に入ってしまうと同じ人に年賀状を書くことがあるからです。年賀状とお礼状は別に送るので、最悪の場合お礼より先に年賀状が届く事になってしまいます。

お歳暮をもらうのは11月末ごろから12月末ごろです。日程的にあまり余裕がないので、お歳暮をもらったらすぐに返すようにしましょう。

冬に返すお礼状なので、冬らしい表現を織り込んで書きましょう。

  • 冬の時候の挨拶:「師走の候 ご健勝のことと…」
  • 冬の締めの挨拶:「寒さも厳しくなります折、くれぐれもご自愛ください」

お歳暮の決まった表現を活用して書きましょう。

  • 「お心遣いのお品を頂戴したしまして…」
  • 「ご丁重なお歳暮の品をお送りいただきまして…」
  • 「お心尽くしのお歳暮の品をお送りいただき…」

上の様にお歳暮の品を決まった表現で書いたうえで、「…誠にありがとうございました」と続けましょう。

香典返しのお礼状の書き方

香典返しのお礼状のポイントは次の通りです。

  • すぐに返さないことも多い
  • 香典返しでよく使う表現を活用

お礼状は、基本的にはすぐに返すものです。しかし香典返しのお礼の場合は、法要を終えてから返すケースが多くあり、必ずしも式の後すぐに返さないといけないわけではありません。

また香典返しでよく使われる表現がいくつかあります。

  • 「ご厚志(芳志)を賜り…」

上の様にお歳暮の品を決まった表現で書いたうえで、「…誠にありがとうございました」と続けましょう。

失礼にならない為に注意する点

お礼状を書く時には次のポイントに注意しましょう。

  • すぐに書きましょう
  • 文面は横書きも可。ただし縦書きがベスト
  • 遅れても出しましょう

お礼状はすぐに書きましょう

基本的に3日以内に、遅くても1~2週間以内に書きましょう。お礼の気持ちを伝えるのは早いに越したことはありません。

ただし例外もあります。香典返しのお礼状の場合は、法要を終えてから返すケースが多くあり、必ずしも式の後すぐに返さないといけないわけではありません。

基本縦書きにしましょう

封書の文面(封筒の宛名書きとハガキは除く)は横書きでも構いません。しかし横書きよりも縦書きの方がフォーマルな書き方になります。お礼の気持ちを丁寧に表したいのであれば、縦書きを選択しましょう。

遅れても出しましょう

もしお礼状を出すのが遅れてしまったとしても、出さないよりはましです。また遅れてしまったからといって、別の書状と一緒にして付け足しでお礼をするのも礼を欠いてしまいます。

遅れてしまったことに触れて、「御礼が遅くなってしまい申し訳ございません」と書き添えたうえで、遅くなっても出すようにしましょう。

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