始末書|書き方の解説、例文、テンプレートで自動作成。
このページでは始末書の書き方の解説、テンプレート、例文を用意しています。手書きの場合はどうするか、封筒・封書の選び方なども分かります。またテンプレートではあなたの始末書を作成できるので便利に使うことが出来ます。
なお基本的には社内でやり取りをする文書なので、社外向けに謝罪文のページ等も別途用意しています。
始末書のテンプレートツール
上は始末書が自動で作れるテンプレートツールです。
必要な項目を入力して、作成ボタンを押してください。あなたの始末書を自動で作成します。作成したらそのまま、印刷、コピー、PDFで保存が出来ます。
作成した始末書
株式会社 貴社名
部署 名前
始末書
「不始末の要約」を入力してください。多大なご迷惑をおかけしてしまい、誠に申し訳ございせんでした。
今後は万全を期した慎重な対応をいたします。
なお今回私が与えてしまいました損害額のうち、10000円をお支払いいたします。
二度と同じようなことを起こさないように、細心の注意を払って再発の防止に努めてまいります。この度は誠に申し訳ございませんでした。
株式会社 弊社名
部署 名前
他の文書をつくりますか?
始末書とは
始末書は業務上の違反や不始末、ミスを起こしたときに対会社に向けて書く文書です。基本的には社内文書の扱いになります。場合によっては取引先や顧客から始末書を書くことを求められ、書く必要が生じる事もあります。
始末書の主な目的は次の4つです。
- 不始末の報告:起きた出来事を正確に、詳細に伝えます
- 原因の究明:不始末が起きた理由を考えます
- 解決策の提示:問題の解決方法を提示します
- 謝罪と再発の防止を宣誓:反省の気持ちを伝え、同じ過ちを起こさないことを伝えます
手書きが公式ですが、パソコンで作ることも許される会社も多くあります。またビジネス文書は客観的に書くものが殆どですが、始末書は少しニュアンスが異なり自分の謝罪の思いを伝えることが必要になります。
始末書を書くのはこんな時
- 業務上でミスを起こしたとき
- 就業規則や社内規程、服務規程に違反したとき
- 企業のイメージを損なうような行為をしたとき
- 金銭的損害を与えたとき
- 部下の不始末、監督責任を怠ったとき
重大な事案にたいして始末書を書くのは通例ですが、どの程度のトラブルから提出が必要になるかは、会社によって取り決めが異なります。
始末書の書き方
始末書は、次のような項目に沿って書いていきます。
- 宛名
- タイトル(標題)
- 不始末の概要
- 謝罪
- 経緯
- 原因や背景の説明
- 今後の対応や再発の防止策
- 弁償の対応等
- 誓約と締め
それぞれの項目の書き方を解説していきます。
始末書|宛名(社長宛)の書き方
宛名は社長宛とすることが一般的です。社長宛の場合、2つの書き方があります。
- 書き方①
代表取締役社長 名無しの権兵衛様
- 書き方②
名無しの権兵衛社長
ただし、社長ではなく他の責任者宛に書くこともあります。必ず上司に確認を取ったうえで宛名を書きましょう。
始末書|タイトル(標題)の書き方
始末書のタイトル(標題)は、そのまま「始末書」になります。
例えば「定例会議に遅刻した件に関する始末書」というように、不始末の内容がわかる長いタイトルにする必要はありません。
不始末の概要の書き方
不始末の概要には次のような項目を含めて書きましょう。
- 日時:いつ起きた出来事なのか書きましょう。基本的に日にちは西暦の表記、時間帯は24時間表記で分かる限り詳細に書きましょう。(例)2022年6月1日(月)16:00頃
- 場所:場所を書くのも必須ですが、不始末の内容から考えてどこで起きたか明白である場合は冗長になるので省きます
- 起きた事:何が発生したのか具体的に書きます。(例)パソコンを紛失した、ミスで誤発注した等
- 不始末の相手(対象):誰に対して、あるいは物を破損した場合は対象が何かを書きます
- 不始末の程度:ミスによる影響や損害がどの程度かを書きます
- 2022年6月1日(月)
- 16:00頃
- ○○駅周辺
始末書|謝罪の書き方
始末書で謝罪を書く時は次のポイントに気を付けます。
- 自分自身の非を認める
- 周囲に迷惑をかけたことにも触れる(会社組織、他の社員、顧客など)
潔く自分の非を認めましょう。その上で不始末の深刻さを理解して謝っていること、誰に対して謝っているのかをはっきりさせることで、誠実さをアピールします。
よく使われる表現としては、次のような例があります。
- ミスを起こしたときの例
私のミスで会社に多大な損害を与えることとなり、誠に申し訳ございません
- 事故を起こした時の例
私の不始末で業務に支障きたす結果となり、深くお詫び申し上げます
始末書|経緯の書き方
経緯を書く場合は次のポイントに気を付けましょう。
- 経緯の説明は簡潔に。もしくは省くことを検討
- 言い訳がましくならない様に注意
経緯の説明は最低限にとどめましょう。経緯を書くのは必須ではありません。始末書において経緯を長々と説明すると、言い訳に取られかねません。経緯を短くまとめたら、そのまま謝罪の文章とつなげていきます。
「経緯説明→謝罪」の流れを意識しましょう。経緯の説明は言い訳ではなく、反省の為の振り返りであるという文脈を作り出すことが出来ます。
不始末の原因や背景の書き方
なぜ不始末が起きてしまったのか、原因を特定します。また背景になった事情があれば説明します。
これは重要な項目です。なぜならどういった理由で問題が起きたのかを正確に把握しないと、今後の対処の方針も考える事が出来ないからです。
二度と同じミスを繰り返さないようにするためにも、原因を落ち着いて考えて、読み手に伝えましょう。
始末書|今後の対応や再発の防止策の書き方
対応や防止策を書く時は次のポイントをおさえましょう。
- 現実的な方法であること
- 有効な方法であること
実現可能な対応、再発の防止策を簡潔に書きましょう。
出来もしない解決策を提案してしまうと、かえって不誠実な印象を与えてしまいます。起こしてしまった不始末を見つめなおして、誠実に解決策を考えましょう。
弁償の対応の書き方
金銭的な被害を与えたときは、
- 弁償額の提示
- 弁償方法
以上の、2項目を書きます。
不注意で備品を破損してしまったり、事故を起こしてしまったり、金銭的な実害を与えた場合などには、およその被害額を調べます。
そして金銭的な被害に対して弁償をする場合は、負担額(全額ないし一部)、弁償の方法(一回で返すか、複数回で返すか)などについて書きます。
始末書|誓約と締めの書き方
最後は、再発防止の宣誓をして締めくくりましょう。
始末書はビジネス文書ではありますが、冷静で客観的に過ぎると、反省しているのかどうか伝わりません。謝罪の思いをしっかりと伝えて締めくくりましょう。
例文
始末書の例文を挙げます。ミスを起こしてしまった時の例文になります。
20××年○月×日
代表取締役 ○○××様(提出相手)
始末書
私は、20××年×月×日社用車にて1号線を××方面に運転中、左折しようとしたところ対向車と接触し事故を起こしてしまいました。私の不始末により会社に多大なご迷惑と損害を与えることとなりましたことを深くお詫び申し上げます。。
発生原因と背景
この度の事故は社用車の車幅の目測を誤ってしまい、対向車の左バンパーと接触したものであり、私の注意不足が原因です。
今後の対応と再発防止策
今後社用車の運転に際して、判断力の低下に結びつくような習慣を見直した上で、慎重な運転を心がけ、二度とこのようなことがないように致します。
弁償等
なおこの度の不始末で生じた損害につきましては、速やかに弁償いたします。
締め
今後再発の防止に取り組む所存です。何卒寛大な処置をお願い申しあげます。この度は誠に申し訳ございませんでした。
○○課 △△○○(作成者)
始末書を書く時の注意点
始末書を書く時は次のようなポイントに気を付けるようにしましょう。
- 事実を正確に書く
- 自分の過失、責任を認める
- トラブルが収束した後に書く
- 用紙は便箋、場合によってコピー用紙も
それぞれの項目について解説していきます。
事実を正確に書く
不始末やトラブルの経緯を、事実に基づいて正確に書きましょう。
適当に間違った内容を書いてしまった場合、他の正しい部分の記述も信用されなくなってしまいます。しっかりと事実関係を思い出して、可能な場合はトラブルを知る第三者にも確認しながら書くようにしましょう。
自分の過失、責任を認める
始末書の中で、他人のせいにしたり、弁解をするのはNGです。まずしっかりと自分自身の過失を認めたうえで、謝罪の言葉と解決策を書きましょう。
もし自分自身の過失度が本当に低い場合、読み手が自然に責任の所在が誰にあるか理解できるように、不始末の経緯を丹念に書いていきましょう。
書くのはトラブル収束後
起こしてしまったトラブルがまだ解決していないのに、始末書を書くのは適切ではありません。
まずトラブルが解決するのに尽力して、事態が収束してから、もしくは上司の指示を待ってすみやかに書くようにしましょう。
用紙は便箋、場合によってコピー用紙も
始末書を手書きする場合、便箋を用います(詳しくは後述します)。パソコンを使う場合は、便箋は罫線の関係でプリンタでの印刷が困難な場合があります。この場合はコピー用紙を使用します。ただしコピー用紙を使用しても良いか、事前に会社に確認をしましょう。
始末書を手書きする場合
なぜ始末書を手書きするのかというと、パソコンよりも手書きがよりフォーマルな書き方だからです。手書きする場合は、次のようなポイントに気を付けましょう。
- 便箋はB5サイズ、白色を選ぶ
- 縦書きで書く
- 字に自信がない場合は署名のみ手書きにする
便箋はB5サイズ、白色を選ぶ
始末書のような改まった文書を書く時は、B5サイズを選ぶのが通例です。色も白色かそれに近い色を選びます。罫線が入っていないと字が斜めになりやすいので、罫線ありのものを選びます
縦書きで書く
手書きする場合は縦書きにします。横書きも不可ではありませんが、縦書きの方がより丁寧な印象を与えます。
字に自信がない場合は署名のみ手書きにする
字があまり上手ではない人は、無理に全て手書きにしてしまうと、かえってマイナスになります。
もしパソコンで作成することが許されるなら、本文をパソコンで作成して署名部分のみを手書きにすることも検討しましょう。
始末書の封筒|サイズの選び方や宛て名の書き方
- 封筒サイズは長形3号か長形4号
- 宛名は手書きで書く
始末書の封筒のサイズは、始末書自体の用紙の大きさによって変わります。B5の場合は横3つ折りにして、長形4号に入れます。A4の場合は、横三つ折りで長形3号に入れます。
次に始末書の宛名は、手書きで書く事が殆どです。宛名書きの書き方はこちらのページで詳しく解説しています。
始末書と顛末書の違いについて
始末書と顛末書には複数の違いがあります。違いを知ってどちらを書くべきか判断しましょう。
- 始末書は謝罪、顛末書は経緯の報告が主目的
- 始末書は当事者が書くが、顛末書は管理者(第三者)が書く
- 始末書より顛末書のほうがより広く共有される事が多い
始末書は謝罪、顛末書は経緯の報告が主目的
始末書では謝罪の意思を伝える事が大きな目的になっていますが、顛末書は謝罪を伝える目的で書く書類ではありません。
顛末書は不始末が起きるに至った経緯を、出来る限り事細かに正確に報告することが目的になります。
始末書は当事者が書くが、顛末書は管理者(第三者)が書く
始末書はトラブルを起こした当事者が自分自身で書きます。だから内容は謝罪や宣誓など、自分の意思の表明を含む、一部主観的なものになります。
一方で顛末書は、当事者ではなく第三者、しばしば当事者の上司や管理者が書きます。主観的な感想を省いて、客観的にトラブルを観察して書くことが求められます。
始末書よりも顛末書の方が広く共有される
始末書も顛末書も基本的には会社に向けて書くもので、宛先は社長や代表者になるケースが多くなります。しかし顛末書の方が、社内でより広く共有されたり、より上層部の目に触れる機会が多くなります。
始末書は場合によっては当事者のプライバシーに関する内容が含まれるのに対して、顛末書はケーススタディとして共有しやすい面があります。
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